サバイバル in インドネシア④
こんにちは、だいこん(仮)です。
『マチネの終わりに』を読みました。この人の本って、言葉がかっこよすぎるんですよね。
「でも、出会ってしまったから。―その事実は、なかったことに出来ない。小峰洋子という一人の人間が、存在しなかった人生というのは、もう非現実的なんだよ。俺が生きているこの現実には、洋子さんが存在している。そして、すぐ側で、存在し続けてほしいと思っている。」 p.132
こんなこと言ってみたいですね。この人の文体は好き嫌いが分かれるような気もしますが、僕は好きな側の人間です。ただ、このセリフも関西弁になった途端に魅力を失うのはなぜでしょうか。
今回は、インドネシア編の最終回、タンクバンプラフ山についてです(名前を知らなかったので今ググりました)。この山は、なんと元気な火山です。
火山くらい日本にもいっぱいあるやろ、と思われたみなさん、それはもちろん正論です。しかし、最大の違いは、遵法意識!
日本のように、法律・ルールを遵守する国の火山と、直感重フィーリング重視の国の火山では、火山で出来ることに大きな差があります。
それでは紹介します。
この火山は、ジャカルタから150キロくらい離れた都市、バンドンにあります。アジア・アフリカ会議が行われた都市として有名かもしれません。そのバンドンです。
今回、そのバンドンまでは列車で移動しました。*1 150キロくらいしか離れていないのに3時間以上かけての移動です。新幹線の偉大さを体感します。
こんなでかいやつに乗りました。この写真、もともとは動画です。こんなでかい車両が自分の1メートル先を通り過ぎていきました。
車内ももちろんカオスです。自動ドアではないのですが、ドアを閉めずに発進し、その後30分くらいはドアをあけたまま疾走しました。そして、強度が明らかに足りていない橋をいくつも渡って3時間、バンドンに到着です。
ここからは車で一気に火山を目指しました。しかし、ジャカルタ名物と思っていた大渋滞はバンドンにも存在し、1時間あれば着くと言われていた火山まで2時間近くかかりました(帰りはそれよりもひどかった)。しかし、なんとか火山にたどり着きます。
これが見ての通り、火口です。ここでうろうろしていた時に、「今日はガスが出ているから降りられない」というようなことを耳にしたのですが、こんなとこに入っていく人がいるというのでしょうか。。。
この火口をみて、「たしかに火山っぽいけど、なんかしょぼっ」と思っていましたが、もうひとつ火口があるというではありませんか。それは行くしかないということで、もう一つのほうを目指します。
進んでいくと、自称ローカルガイドが、この先はガイドなしではいけないと主張してきました。うそっぽさもありましたが、高額な請求をしてきたわけではないので、自称ガイドのひとと一緒に火口を目指します。
こんな山道を歩いていきます。幸いにもイギリスで調達したトレッキングシューズを履いていたことが、このあと僕を救いました。
1時間ちかくあるいて、ようやく火口の入り口に到着です。ここから予想をはるかに上回る経験をします。
まず、少し進んでいったところで目にした光景がこれです。
いわっ。
めちゃくちゃゴツゴツしていますね。少なくとも運動靴を履いていないと危険です。ここで終わりかと思いきや、ローカルガイドさんがどんどん進んでいきます。そのままついて行って、なんとも危なそうなところへ到着します。
いや、めっちゃブクブクしてますし、硫黄のにおいがきついんですが、、、
その人曰く、2013年に一度噴火しているそうです。そんなところに足を踏み入れてもいいのでしょうか(いや、よくない)。
こんな感じで水が溜まっているところが数か所あるのですが、そのうちの一つが人間が入っても耐えられる温度だったので、そこに足をつけることになりました。まぁ、温泉みたいなものだというのですが、「いや、硫黄の濃度がちがうやろ」と心で叫んでいました。結局、自分の足から2日間は硫黄のにおいが離れないという恐怖体験をすることとなりました。
このように水が溜まっていたりするため、足元が滑りやすくとても危険なコンディションとなっていました。にもかかわらず、他の観光客はサンダルとかで来ています。おそろしい。
さて、そのローカルガイドさんですが、誰も向かっていない方向に歩きだします。なにか面白いものがあるから来てみろというのです。危険なにおいがしましたが、行ってみました。
すると、明らかに危険なところへ。ローカルガイドさんが何やら岩の隙間に向かって息を吹きかけています。すると、中から硫黄が噴出します。
どうなっているのかを見に行ってみると、こうなっていました。
こんな感じで、色から危険だとわかるレベルの隙間から硫黄が出てきているようです。このあとこの穴の動画をとっていたのですが、頭がくらくらしました。危険です。
すこし離れてみてみると、白い湯気が見えますが、たぶん硫黄です。この空間の硫黄臭さは、通常一生経験しないものだと確信しています。
他の観光客がこの辺りまで来ていなかったのは、たぶんトレッキングシューズを履いていたか否かの差だと思います。さすがに普通の靴でこの岩は危ないですし。
さぁ、こうして危険な火山体験が終了したわけですが、このあとタクシーの運転手から衝撃的な事実を告げられます。
どうやら違法なガイドだったようです。ドライバーさんが言うには、事前に氏名や何かがあったときの連絡先等を届け出しておくことが必要だとか。
まぁ、あれだけ硫黄の濃度が異常なところに行くからには、それくらいの事前の手続きが必要でしょうね。。。
こんな危険な場所に観光客が足を踏み入れるということは、おそらく日本では不可能でしょう。これもある意味で異文化体験なのかもしれません。